だいぶ時間が空いてしまいましたが、6/11(土)に開催されたポケモンジャパンチャンピオンシップス(以下、PJCS)に参加してきたので、その振り返りレポートです。
PJCSは年間(?)日本一を決める大会で、ゲーム部門、カードゲーム部門、Pokemon GO部門の計3つのカテゴリから構成される大会となっています。私はカードゲーム部門で運良く抽選に当選したので参加することが出来ました。PJCSは2ヶ月に1度ほどのペースで開催されていたチャンピオンズリーグ(以下、CL)にて、各大会上位32名に出場優先権が与えられているのと、チャンピオンシップポイント(以下、CSP)の年間獲得ポイント上位200名にも出場優先権が与えられており、まさに年間チャンピオンを決めるに相応しい猛者たちが集まる大会となっています。
そんな大会であるにも関わらず、今回が初の大型大会への参加となったわけですが、抽選発表の日は複雑な気持ちでした。大型大会に参加したいと思い抽選応募を始めてから早2年、これまで1度も当選せず、半ば出場を諦め始めていたわけですが、とりあえず今回も応募してみるかーといつものノリで応募しました。
抽選結果発表の5/27(金) 17:00、いつもは時間ピッタリに抽選結果を確認していたのですが、「どうせハズレでしょ」とこの日は確認を後回しにしました。
5分後ぐらいにGメールでも結果の通知が来たので、とりあえず見とくかーと思ってメールを開くと…
「当選」
…え?嘘やろ?
メールだけでは信用ならないので、ポケモンカード公式サイトのマイページでも確認をしてみると…
…マジやんけ。にわかに信じ難いことでしたが、時間が経つにつれて実感と喜びの感情が出てきました。が、それと同時に超強豪プレイヤー達と戦わなくてはいけないという事実にも気づき始め、どうしようかなーと頭を悩ませる日々が始まりました。
■環境考察とデッキ選択の経緯
PJCSに出るからには、生半可な気持ちやデッキでは太刀打ちできそうになかったので、しっかりと環境考察から始めました。
強化拡張パック「ダークファンタズマ」が発売された後の大会ではありましたが、基本的には先日行われたCL横浜から大きく環境は変動しておらず、大体以下のようなTier表になるかなと思っていました。
Tier1:パルキアVSTAR、ミュウVMAX
Tier2:アルセウスジュラルドン、アルセウス裏工作、ヒスイゾロアークVSTAR
Tier3:ハピナスミルタンク、アイアントLO、アルセウスカプ・コケコ、ダークライVSTAR
画像にするとこんな感じ。
このように、ミュウVMAXと、パルキアVSTARをメインとするデッキが頭2つぐらい抜けて強く、次点でそれらに対して守りながら戦っていくアルセウスジュラルドン、アルセウス裏工作のデッキが強いかなと思っていました。あとは、新弾からヒスイゾロアークVSTARも直近のシティリーグで結果を残し始めていた事から、無視できないポジションにいると感じました。それ以降のデッキとしては、ハピナスミルタンク辺りが強そうかなといった感じで、アイアントLOやダークライVSTARあたりも1回ぐらい戦うかもなぁぐらいの感覚でした。
これらのデッキが大会当日にどれぐらいの割合でいるかを予想したのがこちらのグラフとなります。
前回のCL横浜でのデッキ使用率、直近のシティリーグの結果などからこのような使用率になるのではないかと思いました。
ミュウとパルキアで半数を占めるであろうことは予想していましたが、運要素の強いミュウよりは、今大会が実力者揃いであることから裏工作で堅実なプレイが出来るパルキアの方が使用率は多くなるだろうと予想しました。
以上の予想から、大会当日はほぼパルキアかミュウと戦うことになるだろうというところから自身が使用するデッキの候補を絞り始めました。
まず始めに考えたのが、Tier上位の方にいるであろうと予想したアルセウス裏工作デッキです。直近の大型大会でも決勝戦まで残っていたこのデッキは、2ヶ月ほど前にお試しで使ってみたところ、案外手に馴染んだので使用するデッキの候補としました。
ただ、1試合あたりの疲労度や、制限時間内での勝利のことも考えると、勝ち進むにはかなりの練度が必要になると感じました。特に猛者揃いの本大会では1つのプレイミスが負けに直結するので、常に最適解を考えながら戦うこのデッキを2週間で煮詰めるのはやや厳しいと感じました。
次に候補として上がったのはヒスイゾロアークデッキです。新弾のパッケージポケモンでもあるこのデッキは、とにかく大量にドローできることと、高火力を出すのにそこまで条件が厳しくないことから、案外やれそうだなと個人的には感じました。また、ノーマルタイプであることから様々なタイプと組み合わせることもでき、ある程度器用に立ち回れそうだなと感じていました。
実際に何度かジムバトルで使ってみましたが、かなり安定して高火力を出すことが出来たので、使用感は悪くありませんでした。
ただ、様々なタイプと組み合わせ可能と書きましたが、メインギミックのカードは変えられないので、そこにある程度枠が割かれてしまっていること、そして何よりエネルギーを引けるかどうかの勝負になるので、そこが少し懸念ではありました。
そんなヒスイゾロアークデッキの使用に迷っていたときに、アルセウスVSTARを主軸としたバレットデッキに着目しました。結果がズタボロだったので珍しくブログには残さなかったのですが、直近のシティリーグS6で使用したデッキで、アルセウスVSTARを主軸にライコウV、ガラルファイヤーVなど環境トップのデッキに対して弱点を突けるポケモンで相手のポケモンを倒していくデッキです。シティリーグでボロ負けしてからは使うのを控えていたのですが、新弾で登場したかがやくサーナイトを採用することで、耐久を更に上げることが出来るようになりました。ベースとしたのはこちらのnoteの記事になります。
直近のシティリーグで使用したデッキでもありましたし、今の自分が一番自信を持って使えると思ったのがこのデッキだったため、大会1週間前にはこのデッキを握ることを決めました。
■当日のマッチング
先の予想とは別に、公式から発表された大会当日のデッキ使用率をまとめたのが上記グラフになります。やはりパルキア→ミュウの順で使用率が多く、この2つのデッキだけで全体の半分を占めていました。また、それ以外のデッキ使用率も大体合っていましたが、アルセウス裏工作の使用率は予想よりちょっと少なかったですね。やはりパルキアがかなりキツイんでしょうね。
以下は私の当日のマッチング結果となります。
1回戦 vs白馬パルキア 先攻 6-0 ○
2回戦 vsパルキア 先攻 2-0 ○(種切れ)
3回戦 vsパルキア 先攻 6-0 ○
4回戦 vsアルセウス裏工作 後攻 1-6 ×
5回戦 vsパルキア 後攻 2-6 ×
6回戦 vsヒスイウインディ 後攻 6-2 ○
7回戦 vsパルキア 後攻 4-6 ×
ほぼパルキアしか当たらなかったので、環境読みは合っていましたが、先攻取られたときのパルキアに全く歯が立たなかったのは悔しかったですね。こちら側が事故っていたのもありますが、先攻のパルキアにも勝てるようなプレイングを意識したいですね。
■デッキ解説
デッキコンセプト
上の方でも書きましたが、基本的にはアルセウスVから入って相手のデッキタイプに合わせてアタッカーを変えて戦っていきます。また、タフネスマントや大きなおまもりを装備して、相手のポケモンからのダメージを一度耐えて攻撃回数を稼ぐのも大事になってきます。相手から倒されないターンを一度でも作れると、勝率がグッと上がります。
以下に採用理由などを記載していきます。
★ポケモン
●アルセウスV-VSTAR 3枚-2枚
このデッキの主軸。基本的にはこのポケモンからスタートして、後続のアタッカーを育てることを目標とします。
先攻であればアルセウスVSTARでダメージを与えながらの後続の育成を目指し、後攻であればダブルターボエネルギーで1ターン目から後続を育成できると完璧です。
最悪、エネ加速ができなくてもVSTARパワーが非常に強力なので、とりあえず試合中に1回は使うのと、できればバトル場スタートしてほしいので、Vは3枚入れました。
●ライコウV 2枚
パルキアデッキに対して使用していくポケモン。自身の特性で毎ターン山札から1枚引けるのも優秀。対パルキアでは相手側がベンチフル展開してくれる関係上、こちらは2体ぐらいベンチにポケモンがいれば相手のパルキアVSTARを弱点込みで倒すことができます。
こちらはHPが200しかないので、うかつにベンチを広げすぎた状態で出してしまうと、ボスの指令で呼び出されてあっさりやられてしまうので、ベンチ管理やタフネスマントとセットで場に出すことなどが鍵を握ります。
PJCS当日ではパルキアVSTARと組み合わせたターボパルキアデッキでも活躍していましたね。
●エンテイV 1枚
ミュウデッキや、非Vのデッキに対して使用していくポケモン。ライコウVと同じく特性で毎ターン山札からドローでき、こちらはHPが230あるので、タスネスマントなどと組み合わせれば実質耐久はVSTARポケモン並みとなります。
ただ、パルキアデッキ対面でこのポケモンからスタートしてしまうとかなり厳しくなるので、できれば初動では出したくないポケモンです。
PJCS当日は、対ヒスイウインディ戦で活躍してくれました。
●ガラルサンダーV 1枚
アルセウス○○デッキや悪タイプデッキに対して使用していくポケモン。相手の場のVポケモンの数分、使用するためのエネルギーが少なくなるので、相手のデッキ次第では全然アタッカーとしての活躍も見込めます。
ただ、うっかり相手の場のVポケモンが減ったことを忘れて技を使ってしまうと再度ペナルティ案件なので、技を使用する際はちゃんと指さし確認をしましょう(シティーリーグでやらかした)。
●ガラルファイヤーV 1枚
ミュウデッキに対して使用していくポケモン。特性でトラッシュからエネルギー加速ができるため、エネルギー付け替えなどと併用して別のアタッカーにエネを供給しながら戦うなど器用な一面も持ちます。
こだわりベルトを持たせることで220ダメージまで出せるようになるため、相手のVポケモンを狩るチャンスがあれば積極的に狙っていきたいです。
●メタモンV 1枚
上記のVポケモンたちを+1枚分できるバレットデッキには欠かせないポケモン。対パルキアであればライコウVを3体押し付けることができ、ミュウデッキであればガラルファイヤーVを2体押し付けることができます。
HPの低さが懸念ですが、とりあえずベンチに出しておいて1エネぐらい付けておくとやられた返しに相手のバトル場のポケモンを倒せると思います。
●クロバットV-VMAX 2枚-1枚
基本的にはドローサポート用に入れていますが、終盤の負け筋を消す目的と、対ミュウデッキにはアタッカーとしても運用します。最近はどのデッキも同じように終盤の負け筋を消す目的でVMAXを入れている型が増えてきましたね。
●ネオラントV 1枚
できれば使いたくないですが、どうしてもサポートに触らなければならない場面のために採用。一応、オーロラエネルギー+ダブルターボエネルギーで山札には帰ることができますが、それやってたら負けるのでさっさと相手のメインアタッカーを潰してしまいましょう。
●かがやくサーナイト 1枚
本デッキのかがやく枠。このポケモンをベンチに出しておくことで、相手のポケモンVから受ける技のダメージを-20できるため、元々タスネスマントなどで上げた耐久値をさらに上げることが可能です。
ただし、ミュウデッキのメロエッタには効果がないのと、対パルキアではこのポケモンを出して-20してもベンチにポケモンが増えてしまうので実質±0になる点に注意。頂への雪道を張られると火力底上げ要因になってしまうので、案外使うデッキは限られているのかもしれません。
★グッズ
●クイックボール 4枚
●ハイパーボール 3枚
●ヒスイのヘビーボール 1枚
ボール配分はこんな感じとなりました。ハイパーボールを4枚にするのが一般的な配分ですが、コストとして切るカードがあまり無いなという印象だったのと、デッキの性質上サイドにアタッカーが落ちるとまぁまぁヤバい事態になるので、ハイパーボールの4枚目をヒスイのヘビーボールにしました。ヒスイのヘビーボールは序盤事故ってる時にサイドからクロバットV持ってこれたりするので地味に強かったです。
●ポケモンいれかえ 1枚
●あなぬけのヒモ 2枚
通称入れ替え枠。ふうせんの採用も考えましたが、タフネスマントやら大きなおまもりを装備する都合上、ふうせん装備してる余裕がないので、採用を見送りました。あなぬけのヒモのほうが役立つ対面が多かったので、あなぬけのヒモの比重を重くしました。
●タフネスマント 2枚
●大きなおまもり 1枚
このデッキのキーパーツ。タフネスマントを付けることで、ライコウVがHP250、エンテイVに至ってはHP280の耐久を得ることができ、後述のキルクス温泉と合わせることでVSTAR並みの耐久を得ることが出来ます。ミュウ対面ではアルセウスVにタフネスマントを付けることで、後1メロディアスエコーの要求値を上げることもあります。
大きなおまもりはアルセウスVSTARやクロバットVMAXに付けることで、少しでも耐久を上げることを意識しています。
●こだわりベルト 1枚
主な付け先はアルセウスVSTAR、もしくはガラルファイヤーVで、相手のVポケモンを一撃で倒すことを意識しています。タフネスマントや大きなおまもりよりは優先度が落ちますが、無いと突破できない場面が何度かあったので1枚採用しています。
●エネルギー付け替え 2枚
このデッキの第2のエネルギー加速手段。ガラルファイヤーVと組み合わせて使う場面が多く、例えば先攻1ターン目に手張りが出来なかったときにガラルファイヤーVとエネルギー付け替え+ダブルターボエネルギーでトリニティノヴァまで宣言できるとかなり強いです。
●ともだちてちょう 1枚
博士の研究での巻き込みや、ボールのコストになってしまったサポートを山札に戻すために採用。上手い人は無くてもデッキを回していけるのだと思いますが、自分は下手なので採用。安定感がグッと上がる感じはしました。
●やまびこホーン 1枚
アルセウスジュラルドン対面がどうしてもキツくて、泣く泣く入れた1枚。これが無いとアルセウスジュラルドン対面はほぼ勝てないです。アルセウスジュラルドン対面を切るなら抜いてもいいと思います。
★サポート
●博士の研究 3枚
このデッキは序盤から山札を掘り進めていきたいので、最低限の3枚を採用。枠があったら4枚目の採用も検討したかったです。
●マリィ 2枚
出札に博士の研究で巻き込みたくないカードがあるが、手札をリフレッシュしたいときの為に採用。あとは非Vのデッキ対策で手札干渉目的でも採用。1枚を博士の研究と替えても良いかもしれません。
●ツツジ 1枚
最後まで入れるか悩んだカード。基本的に手札にタイミング良くあることは無いので使用できるのは稀ですが、どうしても非Vのデッキ(レジギガス、ヒスイウィンディ)やパルキアに対して終盤止まってくれることをお祈りして使いたかったので1枚採用しました。他のカードと替えるなら真っ先に不採用になる候補の1枚です。ただ、使用できるとかなり強かったです。
●ボスの指令 2枚
基本的にバトル場のポケモンを弱点突きながら倒していくので、試合中1度使えればいいかなーぐらいの感覚です。ともだちてちょうを採用してるので、試合の序盤に手札に来たらボールのコストになると思います。
●キバナ 2枚
このデッキで一番重要なサポートカードと言っても過言ではないかもしれません。基本的にはアルセウスV(VSTAR)で後続のアタッカーが育っているのですが、相手もアルセウスを倒した返しに後続のアタッカーに弱点で倒されることは分かっているので、大体後続のアタッカーからボスで狙われます。そうなると新たなアタッカーを用意する必要があるので、その時に重宝するのがこのカードです。このデッキのメインアタッカーはほぼ2エネで技が使えるポケモンなので、キバナ+手張りで即起動可能です。そのため、仮に一体やられても何とかなるのがこのデッキの強みでもあります。
試合中1回は絶対に使うので、サイド落ちも考慮して2枚採用です。
★スタジアム
●キルクス温泉 2枚
デッキコンセプトである、「相手のポケモンからのダメージを一度耐える」を実現するために必要な1枚。このスタジアムを序盤から張っていけるかが結構勝負の鍵を握っていると思います。
●トレーニングコート 1枚
基本エネルギーを主軸としているので、必要な色のエネルギーをトラッシュから回収できるのは非常に強力です。対パルキア対面だとかがやくゲッコウガの試行回数を増やしてしまうのがネックです。
★エネルギー
●基本悪エネルギー 5枚
●基本雷エネルギー 2枚
●基本炎エネルギー 1枚
●基本闘エネルギー 1枚
●オーロラエネルギー 1枚
エネルギー配分がかなり難しいデッキですが、悪エネルギーを多めにすることでガラルファイヤーVの特性を活かしながらエネルギー加速が出来るためこのような配分となりました。本当はオーロラエネルギーを4枚採用するのが一番強いのですが、そうなるとジュラルドンVMAXが突破できないので、このようなエネルギー配分としました。基本エネルギーが軸のほうがアルセウスVSTARの技の効果も強く使えるのが良い点です。
●ダブルターボエネルギー 2枚
試合中に使うのは、序盤のアルセウスV-VSTARでの技使用時のみなので、サイド落ちを考慮して2枚の採用です。
■最後に
初めての大型大会を終え、まずは何事もなく無事に終わった事にホッとしています。そして、自身が掲げていた「1勝すること」を達成できただけでなく、4勝という出来すぎた結果に非常に満足しています。これだけの強豪プレイヤー達を相手に4勝ももぎ取ることが出来たのは、これからのポケカ生活に大きな自信となりましたね。3年間地道に活動してきたのは無駄ではなかったことが証明できたかと思います。欲を言えばあと1勝してビクティニのプロモカードを持ち帰りたかったですが、ここが今の自分の実力だと思います。
改めて、会場の準備及び運営を行っていただいた公式関係者の方々、当日ジャッジとして稼働していただいた方々、対戦していただいた方々にお礼と感謝を申し上げます。
最後に、会場で撮った写真をいくつか掲載して終わりたいと思います。
来年、もう一度この場に戻ってくることがあれば、その時は5勝以上を目標に頑張りたいと思います。
会場入口にあったポール。意外と大きかったです。
1回戦開始前の会場の雰囲気。コロナ禍とは思えないほど多くのプレイヤーが集まっていました。また、左の卓にはあの有名YouTuberのだんのうらさんもいて、生のだんのうらさんを見ることが出来て少し嬉しかったです。
5回戦終了直後ぐらいの会場の雰囲気。既に多くのプレイヤーが3敗でドロップして会場を後にしていたため、かなり寂しい雰囲気になっていました。
メインポスターと記念に1枚。ずっとこうやって写真撮るのが夢でした(笑)。
おわり